メッシュ折財布のコバの剥がれの修繕でお持ち込み頂きました。
ご存知ない方の為に革製品のコバについて簡単にご説明いたしますと、まず革の断面をコバと言い、コバの処理には切りっぱなしであえて断面未処理の製品もありますが、多くの製品の場合は保護の目的でコバに溶剤を塗って仕上げます。これらは摩擦による革断面の傷みや繊維の崩れなどから製品自体を守る役割があります。車のボディを守るバンパー(昔の車?^^;)の様なものですね。また溶剤にも種類があり、革断面に染み込むものや固形のまま付着するものもあり、今回はその後者でさらに色付けの役割を持たせている珍しい製品でした。
お持ち込み時

綺麗なブルーのコバ剤で縁取られたお財布ですが、経年の摩擦で所々が剥がれていました。こういった場合の修繕は剥がれた箇所のみの塗り直すのでは全体が均一に仕上がらない為、一度全てのコバを剥がし、コバを磨いて面を整えてから(溶剤の調色をした上で)塗り直しをすることになります。
コバ塗り 前・後


コバ塗り 前・後


コバ塗り 前・後


コバ塗り後

職人曰く、こちらの製品のような厚塗りのコバ剤は海外の製品に多く、国内の溶剤とは異なるとのことでしたが、近い仕上がりになるよう職人にお願いして4、5回重ね塗りしてもらい(感謝!)、なんとか元の様な仕上がりになりました。ご依頼主様にも喜んでいただけたのでめでたしめでたし。
・コバ塗り【7,000円】
合計:7,000円(税別)
担当:店長 上野