今回のトラブルはシミです。
バッグ内で水筒からお茶をこぼしてしまい、その後に内装生地を水洗いしたそうで、その影響が革面に出ている状態でした。
革製のバッグにとってのシミは実はかなり厄介です。
革のクリーニングを謳った溶剤は多く市販されているのに、明確な効き目があるものに出会ったことがありません(^^;; シミと革の両方に様々な要素があるのでDIYで対応するにはかなり難しいと言えるでしょう。
お持ち込み時


当店では安価で対応できる現状2種類の方法で対応しています。シミ除去ではなく補色によりシミを目立たなくする方法と、もう一つは染料染めのバッグの水濡れへの対処で、今回はその後者でした。
処置 前・後


バッグの一部が水に濡れることで革に染み込んでいた色素が動き、濃淡の差ができたまま革面が乾くことで結果的にシミとなってしまいます。理屈としてはその逆で、シミの輪郭から水で濡らし、徐々にその範囲を広げていくことでシミの境界線を目立たなくしていくことが出来ます。
処置 前・後


処置後

今回はバッグの前胴・縁、背胴の両面がほぼ全体的にシミに覆われていた為、大掛かりでしたが時間をかけて行いました。オイルを入れることでなんとか目立たない色合いに収めることができ、非常に喜んでいただきました。
・シミ落とし(バッグ全体)【10,000円】
・オイルケア(サービス)
合計:10,000円(税別)
担当:店長 上野